KOBAYASHI-City in Miyazaki Vol.12018.11.09

宮崎県の西南部に位置する小林市。霧島連山と九州山地に囲まれた温暖な気候は、様々な農産物の宝庫であるとともに、日本一とも称される宮崎牛の一大産地としても知られている。

レストランひらまつ 広尾で供される和牛の多くもこの地のもの。そんな小林市へ食材の原点を探りに向かった。

仔牛の繁殖から肥育まで行う

宮崎牛の誇りを守り続ける、倉薗牧場

全国的にも有名な黒毛和牛の宮崎牛。その中でも特にシェフがこの倉薗牧場にこだわるには理由がある。多くの和牛生産農家は繁殖農家と肥育農家に分かれているが、ここ倉薗牧場は、仔牛の繁殖から肥育までを行うという珍しい生産者なのだ。その最大のメリットは、繁殖から生育まで一貫して見るためすべての生育過程をきちんと管理できることにある。

飼料はオーガニックの牧草

倉薗牧場ではオーストラリアから輸入したオーガニックな牧草を餌とし、抗生物質などの投与を行わずに牛自身の力で成牛へと飼育する。このように抗生物質などの投与を一切行わない肥育方法は、より多くの労力がかかるため、限られた農家でしか行われていない。様々な課題はあるにしろ、食の安全という面を思えば、ナチュラルな状態で肥育していくことの重要性を考えるべき時だろう。

倉薗牧場 ご主人 倉薗 忠さん

安心安全なビーフを育てあげる手間暇

抗生物質や栄養を投与せずに、素晴らしい牛を肥育するには、それだけに多くの努力が必要となる。まず牛舎の環境を整え、牛たちが動きやすく清潔でいられるように常に清掃を心がけなければならない。日々の作業は膨大となり、地道で大変な仕事が続くだけに人手の確保が難しくなるのは必至。倉薗牧場もその例に漏れず、ほぼ家族経営といっても過言ではない。父母、兄弟、家族総出で牛たちを守る。そうして黒毛和牛本来の芳醇な味わいを持つ素晴らしい宮崎牛を育て上げているのだ。

倉薗牧場についての説明を行う倉薗貴博さんと裕次郎さん

1日も休むことはできないし、大変な仕事だから、家族総出です。そうしないと満足のいく、“宮崎牛”のブランドに恥じない美味しい肉を届けられないからね」。

小高い丘の上にある倉薗牧場。その目の前には雄大な南九州の農地が広がる。

「ゆくゆくはこの農地を開拓して、本格的な放牧にも取り組みたいですね」。

その夢が叶う日もそう遠くはないかもしれない。

ご主人忠さんの説明を聞く、レストランひらまつ広尾の平松シェフと後藤支配人

どこまでも上質な和牛の味わいを、単なる等級だけではなく、その育つ環境、育てる人々の思いまでも見据えること。

レストランひらまつ 広尾のバックステージでは、深く静かだが真摯な人々の努力が続けられている。

倉薗一家 左から次男 倉薗裕次郎さん、母 嘉枝子さん、父 忠さん、長男 貴博さん

倉薗牧場直営のレストランで見事な宮崎牛を提供してくれる

http://beefcook.web.fc2.com/

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Words :
Paragraph Ltd.
Photography :
Masashi Nagao
Keywords :
beef
Miyazaki