The Secret of Our Wine2020.03.25
ひらまつのワインの秘密
フランス料理とワイン。その関係はマリアージュ、つまりフランス語で”結婚”の意と表現されるが如く、とても深く信じ合う関係といえる。レストランひらまつ 広尾で供される一皿一皿にも、それにふさわしいワインが美味しさをより華やかなものへと昇華させている。
一皿一皿の料理と同じようにワインを考える。
それは、ひらまつが料理とワインそして空間までも含めた総合芸術としてのフレンチを目指しているからに他ならない。これが、レストランひらまつ 広尾が創業時から変わらず持ち続けているプリンシプル=原則である。そのために全てのワインをオーナーである、平松宏之自ら吟味し、直接仕入れることを目指してきた。醸造家の元へ通い、親交を重ねたことで信頼関係が生まれ、今では店舗で提供する9割を超えるワインの直接仕入れを可能にした。
このようなひらまつのワインへの想い、姿勢からレストラン地下のワインセラーには常時500銘柄以上、ヴィンテージバリエーションまで含めると3000本ものワインがストックされている。
さらにワインを最高の状態でお楽しみいただけるように熟成も含めて徹底的に管理するために、特別の専用倉庫が存在する。
そこではなんと50万本以上ものワインが完璧な状態でストックされているのだ。
巨大倉庫に眠る、珠玉のワインたち
その倉庫は、港に近い巨大倉庫の一角を占める場所に位置する。かつて庁舎だった名残りの煉瓦壁が残る歴史ある倉庫だが、設備機能的には最新のものを備えワインの保管には欠かせない造りとなっている。
今回、特別にその倉庫でどのようにワインたちは保管されているかを垣間見ることに。
生産地の醸造家たちとともに吟味しセレクトされたワインは、リーファーと呼ばれる冷蔵コンテナで港へと到着。そのままの冷蔵状態を保ちながら、ダイレクトに倉庫へと運ばれ、荷下ろしの際も一定の温度に保たれ保管庫へ収蔵。ここでの温度管理・湿度の設定はワインを熟成させるため徹底的に管理されるのだ。
ここでは、ひらまつオリジナルのワインだけでなく、著名シャトーのワイン、スーパーヴィンテージとなるワインも丁寧に保管され、出荷の際にもラベルその他の厳しいチェックを受ける徹底ぶりだ。
一般的には、ここに運ばれたワインは10年ほどの熟成を経た後レストランへと運ばれるそうだ。中には1800年代のワインも存在し、その貴重さは価格を超えたものと言わる。
管理には管理タグがつけられ、出荷の際は即座に取り出すことができるなど、レストランとの連携も図られている。
ワインを料理とともに最高の状態で楽しんでいただきたい。熟成だけでなく、生産者の思いまでも伝えたいと願うひらまつのワインへの情熱がここには詰まっていると言えよう。
50万本もの至極のワインたちが眠る倉庫は、静かにその出番を待つワインたちの静かな息遣いが聞こえてくるかのようだ。